食品(食材)の卸・通販・スーパー・市場を比較しよう
業務用食品の仕入れについて、「食品卸」「通販」「スーパー」「市場」を比較してみました。
自店舗に合う仕入れ方法を選ぶための比較方法
食品卸、通販、スーパー、市場の4つの仕入れについて、比較ポイントは以下の6点。どのポイントも、仕入れにおいては非常に重要となります。
- 配送…配送を店側に任せられれば、手間がかからないというだけでなく、人件費の削減にも繋がります。また、店側の時間によっては急な仕入れにも対応してもらえます。
- 品揃え…店ごとのテーマに合う料理を提供するためにも、品揃えは非常に重要。常に同じ食材が用意されているかも着目すべきです。
- 価格競争力…格安だけにこだわる必要はありません。一定レベルの価格水準を保てる安定感が必要です。
- 見積もり…購入前にどの程度の費用がかかるか予測するためにも見積もりは重要です。ただし、時間のロスに繋がる可能性もあります。
- 小ロット対応…食材のロスを減らすためには、非常に重要なポイント。店舗の規模に合わせて、便利に使用できる小ロット対応を重視しましょう。
- 掛け払い…まとまった資金があるときに支払いが可能な掛け払いは、利便性が非常に高いです。
仕入れ方 | 配送 | 品揃え | 価格競争力 | 見積もり | 小ロット 対応 |
掛け払い |
---|---|---|---|---|---|---|
小売店 | × | △ | ○ | 不要 | ○ | × |
市場 | △ | ○ | ○ | 不要 | △ | △ |
卸業者 | ○ | ○ | ○ | 要 | △ | ○ |
通販 | ○ | ○ | △ | 不要 | ○ | ○ |
▲左右にスクロールできます
卸・通販・スーパー・市場のメリット・デメリット
卸のメリット・デメリット
小売店より安く仕入れができ、品揃えも豊富。また、配送や掛け払いも対応してくれるため、飲食店の仕入れ先としては一般的な選択肢ですね。
ただ、新しい商品を注文する際には見積もりが必要のため、急いで欲しいときには間に合わないケースも。さらに、1個で足りるのに「ケース売り」しか対応してもらえない、配送が週3回のため在庫管理が難しい…など、不便な点も挙げられます。
通販のメリット・デメリット
カタログやネット上の商品を見て電話やFAX、ネットで気軽に注文できる通販。営業担当を通じて見積もりを取る手間も省け、利便性が高い方法です。
また、カタログで予想外の商品を見つける楽しみなどネットショッピング同様の強みがありつつ、掛け払いをはじめとした卸特有の便利な仕組みも利用可能。
さらに、小ロットに対応しているところも多く、ロスをカットできるのも魅力です。「数千円まとめての注文で送料無料」といったサービスも一般的です。
スーパーのメリット・デメリット
近所のスーパーや八百屋さん、お肉屋さんなどは気軽に行くことができ、また実際に手に取って商品を確認できるのもメリットです。
ただ、配送は対応していないのが一般的で、品揃えや価格面もあまり期待できません。また、卸や通販では利用できることが多い「掛け払い」も無理でしょう。
さらに、近所ということは常連さんの生活圏でもあるため、バッタリ出くわして原価がバレてしまった…なんて気まずいケースも考えられます。
市場のメリット・デメリット
目利きの仲卸さんとコミュニケーションを取りながら仕入れを行う市場は、料理人の想像力も掻き立ててくれるエキサイティングな場。
しかし、市場には独自ルールがあったり、買い付け~支払いのシステムがよく分からなかったりと、デビューしたてのオーナーにはハードルが高い仕入先です。
また、週に2日程度の休市日があるのが一般的なため、毎日オープンしているお店はその休市日に合わせた在庫のやりくりをしないといけません…。
小規模な飲食店なら通販サイトが便利
それぞれのメリット・デメリットを考えると、やはり個人経営の小規模な飲食店の場合は「通販サイト」が便利といえるでしょう。
何よりもメリットなのは、注文から商品到着までが迅速な点、掛け払いなどの便利なシステムが使える点、小ロットにも対応してもらえる点です。
ただ、担当者を通じて価格交渉や大量発注などの融通を利かせてもらえる卸業者もメリットはあります。そのため、目玉商品は卸などで購入し、冷凍食品などは通販を利用するといった方法も1つの手です。